「すっぱい」コーヒーが苦手→それ、たぶん傷んでます
コーヒー大好きなイラストレーター、アシカガケイです。
コーヒーブログ「よむコーヒー」は、私アシカガケイが日々仕入れたコーヒーに関するコツや雑学、豆知識を、正直な文章とやわらかいイラストでお届けするブログです。
■在宅コーヒーのコツ■
このコーナーではインスタントやハンドドリップコーヒーで自宅で過ごす時間を豊かにしたい人に向けて、コーヒーの選び方、淹れ方、楽しみ方に関するコツや雑学を紹介します。
「すっぱい」コーヒーがあるのはどうして?
コーヒー、とくに砂糖やミルクを入れずブラックで飲むコーヒーに抵抗感のある人は多いと思います。
そんなコーヒーが苦手な方からよく、
「すっぱいコーヒーが苦手」
という話をうかがうことが度々あります。
私も学生時代、背伸びして飲んだホットコーヒーが酸っぱく、一時期コーヒーをブラックで飲むことに苦手意識を持っていた時期もありました。
みなさんも多かれ少なかれ、こういった経験からカフェや焙煎所でコーヒーを選ぶときに「酸味が弱いもの」を意識して選んでいる方も多いんじゃないかと思います。
ただ、そのすっぱさ、実はコーヒーの味じゃないかもしれません。
どういうこと??と思ったそこのアナタ。
良い反応をありがとうございます。
以下でもう少し詳しく見ていきましょう。
ポイントは、コーヒーの2種類の酸味を知ることです。
コーヒーがもつ「2つの酸味」
導入で触れた通り、コーヒー豆には酸味を感じる成分が含まれています。
ですが、コーヒー豆が持つコーヒー本来の酸味は果物と同じ質の酸味なので、果物が好きな方なら苦手なんてことはほとんどないはずなのです。
ではあのイヤな酸味とは一体なんなのか。
それは、コーヒーの鮮度が落ちることで生じる劣化による酸味です。
実は、街中に出回っているコーヒーは私たちが想像している以上に「傷んだものが提供されてしまっている」ケースが非常に多いというのが実情です。
これは、コーヒー豆がお肉や野菜などの他の生鮮食材に比べて品質の劣化による見た目の変化がわかりにくいこと、
また、風味の劣化に対して消費(食用に適する)期限がとても長く設定されることが多いため、
他の食品では当然のように働いている「傷んだものは出回らない」という流通のフィルターがかかりにくいという性質的な一面があります。
品質や鮮度に問題があるものを飲んで酸味が嫌いになってしまうのは、当然のことですよね。
ただ、先ほどもお伝えしたようにコーヒーが本来持つ酸味は果実を思わせる上品で軽やかな好ましい風味なのです。
いちコーヒーマニアのアシカガケイとして、ぜひ皆さんにも「おいしい酸味」を楽しんでほしい…
そんなおせっかい心から、これからコーヒーを選ぶうえでぜひ覚えてほしい合言葉をお伝えさせてください。
酸味にチャレンジしたいときは「フルーティ」を合言葉に
おそらく、コーヒー専門店の店員さんに向けて「酸味が苦手」という表現をすると、酸味が特徴の「キリマンジャロ」や「モカ」は遠ざけられて、苦みが強い「マンデリン」などを勧められるが多いのではないかと思います。
もちろん苦みのコーヒーもコクがあっておいしいですが、
この会話、私たちが経験した劣化による酸味と、店員さんのイメージするコーヒー本来の酸味を取り違えたミスコミュニケーションになってしまっていることも多いのではないかなーと思ってます。
(結果、勧められるコーヒーが苦み系に寄りやすいため、買ったコーヒーが「想像してたより苦かった!」という経験を持っている方もいるのでは…と勝手に思ってます)
「おいしい酸味のコーヒーが飲んでみたい!」と思ったら、、、
店員さんに聞くときや説明欄を読むときに「フルーティ」というキーワードを意識するとおいしい酸味のコーヒーに出会うことができます。
既にお話した通り、コーヒー本来の酸味は果実と同じ質のもの。
上質な酸味を持つコーヒーほど、ベリー/チェリー/柑橘系などの果物に例えられるさわやかな香りを持っている傾向があるため、イメージするコーヒーにたどり着ける確率が高まると思います。
・「柑橘系を思わせるフルーティな香りが~~」と書いてある銘柄を選んでみる
・「フルーティな香りのものでおすすめはありますか?」と聞いてみる
ぜひ酸味のおいしいコーヒーにチャレンジしてみてください。